原田翔太さんへのインタビュー
1987年千葉県出身。初海外は高校卒業後のインドやネパールへの単身バックパッカー旅行。その際にアフリカに興味を持ち、23歳で初セネガル。セネガルの若者達が「俺たちは住むとこもあるし、食べ物もあるけれど仕事がない。」の一言でセネガルで仕事をしてみたいと思い起業を決意。 2015年からセネガル首都ダカールに家族で移住。2017年に日本食堂「和心」、ゲストハウスを開業し、2021年小売店「Cote」を開業。普段はセネガル人スタッフ10名と2人の子どもの父親業してます。 ブログ:アフリカ起業人ブログ ホームページ:Wagokoro Restaurant Japonais |
Q1: 現在、どんなビジネスをされていますか?
セネガルの首都ダカールで日本食レストラン、ゲストハウス、小売店(日本の調味料やセネガルのアパレル)を経営しています。
特にメインとなっているのは日本食レストランで2022年現在6年目になります。
また、日本食レストランと小売店ではインターン生の募集も受け付けております。
2020年3月のコロナ以降、セネガルの外国人入国制限がありインターン生の受入れは停止しておりましたが、2022年現在は外国人の入国も可能になったので、興味のある方は是非ご連絡ください。
Q2: 起業したきっかけは何だったのでしょうか?
ある日よく考えもせずに「どう考えても世界で一番深刻な問題を抱えてるのはアフリカだ。」と思ったのがきっかけです。
その後、アフリカで自分が起業する事で現地の人に雇用を生み出したい、と思うようになり起業する事を決めました。 しかし、よくよく考えてみるとアフリカに対する憧れというのでしょうか。そういったものは昔から心のどこかにあったように思います。
Q3: なぜ、セネガルで起業しようと思ったのですか?また、なぜ、そのビジネスを始めようと思ったのでしょうか?
始めは英語圏であるガーナと迷っていました。 しかし、言葉はなんとかなるだろうな。と思い以前から思い入れのあるセネガルで起業する事にしました。
ホームステイ事業を始めた理由は、私自身が以前セネガル人の家庭でホームステイをさせてもらった際にとても素晴らしい経験をさせてもらったからです。 その経験を是非他の日本人の方にも体験してもらいたいと思いました。
Q4: 起業当初(9年前)、ホームステイビジネスを始められていたかと思うのですが、現在のビジネスへと変わったきっかけは何ですか?
実はセネガルでホームステイ事業を始める前からそれだけでは食べていけないと思っていました。なので、「セネガルで本格的にビジネスが出来るとしたら何か?」というのは考えていました。
ダカールには寿司を提供するレストランは5~6店舗程ありますが、日本人オーナー、シェフの店は1軒もありません。なので「これはセネガルで日本人初になれるチャンスなのでは?」と思い、飲食業をやる事を決めました。
Q5: 最初の起業資金はいくら必要だったでしょう?
実は正確にはわかりません。
というのも、セネガルでは飲食店を開業する為にライセンスが必要です。我々はこのライセンスを取得するのに2年3か月掛かりました。ですので、その期間はお弁当のデリバリーをして日々の経費(家賃や人件費など)を支払っていました。お弁当デリバリーをしている間も日々売上げを上げ経費を支払っていたので、最初起業資金は正確にはわかりません。
Q6: セネガルの起業環境について教えてください。
日本のように全てが整っているわけではありませんが、起業環境はそれ程悪くはないと思います。 セネガルに来る前はネット環境やインフラなどかなり悪いと覚悟して来ましたが、実際は私が想像していたものよりも良く、拍子抜けしたぐらいです。
また、セネガルはアフリカの中ではかなり政情が安定している国だといわれているので、そのあたりの安心感もあります。
Q7: セネガルでビジネスを行う際に困ったことは何でしょうか?また、起業する際の注意点は?
言葉が全くわからなかったことです。しかし矛盾するようですが、言葉はなんとかなるものだな。とも思いました。 今でも会話は現地の言葉(ウォロフ語)とジェスチャーを含めながらなんとかコミュニケーションが取れる程度ですが、それでもどうにかやっています。
Q8: 起業してよかったと思うことは何ですか?
ずっと自分のやりたいと思っていた事ができているのでとても充実しています。
大袈裟かもしれませんが、日々「セネガルに来てよかった、セネガルで起業してよかった。」と思っています。
Q9: もし、今のビジネス以外に新たにセネガルでビジネスをするとしたら、どんなことをしたいですか?
短期的なところでは飲食業、長期的なビジネスは農業などに興味があります。
Q10: 最後に、これから起業しようと思う人たちへのメッセージをお願いします。
私の場合「アフリカで起業したい」という想いがありながら、何度か「やっぱり止めようか」と躊躇したことがありました。 今その当時を振り返ってみると「なんであの時躊躇していたんだろう?」と思います。 人それぞれ考え方はありますが、私は今セネガルに来て本当に良かったと思っています。
私は「リサーチを重ねて慎重に」というよりは、「まずは現地に赴きやってみる」というスタイルでやってきました。 お金がなくても、言葉がわからなくても、知識がなくても、とにかく動き出す事が大切です。 まずは自分のチャレンジしたいことを、小さく始めてみる。それが大切だと思います。