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意外と盲点、第3勢力アラブ世界の魅力とビジネスチャンス

実は侮れないアラブ世界の隠された実力

今でこそ、中東は、欧米や中国などと比べると
世界のマーケット的には軽視されがちです。

ただ、歴史を振り返ると、中東は、世界の中心だった時期もあり、
ヨーロッパよりも、文明的に発展していた時期もありました。

今回は、そんな中東(アラブ世界)を分析し、
ビジネスチャンスを見てみようと思います。

 

アラブ世界の2大特徴

アラブ世界の2大特徴

  • 言語(アラビア語)
  • 宗教(イスラム教)

アラブ世界の特徴としては、アラビア語とイスラム教で
非常に大きな一つの文化圏を形成していることです。

アラビア語は、中東、アフリカなど27カ国で使用されています。
(その数、約2億3500万人

 

次に、宗教(イスラム教)

世界の3大宗教の一つ(キリスト教、イスラム教、仏教)

キリスト教が20億人の信者に対して、イスラム教は16億人

 世界各国の信徒数の割合

イスラム教徒は、敬虔な信者も多く、毎日のお祈りを欠かさず、
アルコールや豚肉の禁止、ラマダンをしたりと色々な制約があるのが特徴です。

ハラール認証

イスラム法の定める適正な方法で処理、加工された食品であることを証明する認証で、イスラム教徒の人が安心して使用できる目印となります。最近、日本でも、アラブ世界の観光客向けにハラール認証の食べ物が増えてきました。

イスラム教と言っても、スンニ派(多数派)とシーア派(少数派)に別れ、しばしば対立し、必ずしも1枚岩ではありません。

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移民大国のフランスでは、アラブ人の移住者が数多く存在するため、イスラム教徒の割合(人口6700万人に対して500万人)が増えています。そのため、フランスでは、移民問題は大きな問題になっています。しかし、長い目で見れば、今後も、移民は増え続け、世界におけるイスラム教徒の割合は増えていくことでしょう。

 

アラブ世界の経済規模(国別)

今度は、主なアラブ世界の主要国をそれぞれ見ていくことにしてみましょう。

国名人口経済規模(GDP)
サウジアラビア約3481万人7001億1800万ドル (世界第19位)
アラブ首長国連邦約989万人3588億6900万ドル (世界第34位)
イラン約8399万人5812億5200万ドル (世界第21位)
イラク約4022万人1694億8800万ドル (世界第52位)
エジプト約1億233万人3632億4500万ドル(世界第33位)
チュニジア約1182万人391億6900万ドル(世界第89位)
モロッコ約3691万人1180億9600万ドル(世界第58位)

一つ一つの国の経済規模は、低いのですが合わせると馬鹿にできない規模になります。

中でも、良く耳にするドバイを有するアラブ首長国連邦の1人あたりGDPは、
3万8661ドルとなり、日本の1人あたり GDPとほぼ同じレベルです。

 

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アラブ世界の中では、アラブ首長国連邦のドバイが積極的に起業家、海外法人設立支援を行っています。アジアで言えば、シンガポールのような位置づけです。法人税も安く、投資家ビザも取得しやすいため、多くの会社がドバイに進出しています。また、ドバイ国際空港など、アジア、アフリカ、ヨーロッパに行くためのハブ空港があるのも魅力的です。(海外の税制については、こちら

 

イランという国の特殊性

アラブ世界の盟主と言われている国は、
イスラム教の聖地メッカを抱えるサウジアラビア。

そして、もう一つの大国は、イラン

このイランという国は、核開発問題を巡り、長年、経済制裁を受けている国です。

その徹底ぶりは、すごく、まず、アメリカ系のビザカードなどの決済機能が使えない。
Expedia などのアメリカ系の旅行サイトでは、まるでイランという国が
存在しないかのように検索してもイランのホテルなどの情報が全く出てきません。

私の体験談(イラン旅行)

2017年にイランに旅行しましたが、そのイラン旅行のせいで、アメリカ旅行(経由するだけでも駄目)ができなくなりました。ESTAと呼ばれる電子渡航認証システムのチェック項目の中で、イラン渡航歴があると不交付になるのです。ただし、私は、イラン旅行を後悔はしていません。遺跡が数多く残り、みんな親切で素晴らしい国でした。

とあるイラン人の意見

経済制裁をされているので、さぞかしアメリカのことが嫌いなんだろうと思い、イラン旅行中に出会ったイラン人に聞いてみました。するとそのイラン人の答えは、「私は、どちらかというとアメリカの文化に憧れを持っている。アメリカよりもサウジアラビアのほうが大嫌い。」と興味深い答えがありました。

 

アラブ世界の混乱

団結すれば大きな力を発揮するはずのアラブ社会ですが、
ここ20年は大きな混乱に見舞われています。

2003年-2011年イラク戦争イラク VS アメリカ
2010年-2012年アラブの春(大規模反政府デモ)チュニジアから始まりアラブ社会全域
2011年シリア内戦シリア
2011年リビア内戦リビア VS 反カダフィ勢力、NATO
2014年-2019年イスラム国(ISIL)の台頭シリア・イラク

2000年頃は、中東は平穏な国で観光客にも人気のスポットでした。

しかし、2010年に始まったアラブの春をきっかけに、
多くの中東の国々では内乱が勃発。

シリアのように、素晴らしい遺跡や街が
破壊されてしまうなど多くの問題を残しています。

 

将来の展望

欧米、中国と言った超大国の影に隠れていますが、アラブ世界は第3の勢力です。国によっては、インフラの未発達、内戦、政治の混乱など問題を抱えているものの、移民を通じて、欧米にもアラブ人社会が浸透しつつあります。今後の台風の目になることでしょう。


 

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