海外起業家(欧州編) 海外起業家インタビュー

海外起業家インタビュー(フランス編)須田亜理砂さん

須田亜理砂さんへのインタビュー

1975 年横浜生まれ、茨城県育ち。東洋大学文学部教育学科卒業後、製紙メーカーへ就職。 ’99 年WEB コンサルティング会社へ転職。子会社の立ち上げに参加後、WEB 旅行代理店へ転職。 ’03 年よりニューヨークへ移る。アート雑誌のマーケティング及びWEB マーケティングに携わり、 ’06 年2 月フランス領コルシカ島へ移住、MIDORINOSHIMA設立。

Q1: 現在、どんなビジネスをされていますか?

日本酒を中心とした日本製のアルコール飲料をフランスに輸入しています。

会社名は、Midorinoshimaです。

 

Q2: 起業したきっかけは何だったのでしょうか?

現在の夫とニューヨークで出会ったのですが、彼が生まれ故郷のフランスはコルシカ島へ帰郷することになり、コルシカへ移住することにしました。 ニューヨークを離れると同時に二人ともそれまでの仕事を辞めたので、この機会に二人でゼロから何かを始めようと思い立ちました。

 

Q3: なぜ、フランスで起業しようと思ったのですか?

上記の理由でフランスに来たわけですが、企業当初は、お互いに知られていない日本とコルシカの良い部分を消費者に広く知ってもらうために、 食品を中心とした商品を紹介しあう輸出入ビジネスに取り組みましたが、日本への輸出ビジネスは私たちがマーケットから遠いことや当時のユーロ高、 コルシカの農家が日本の要求に対応できないなどいろいろな理由があり、今は日本酒を中心とした日本製のアルコール類の輸入に特化しています。

 

Q4: 最初の起業資金はいくら必要だったでしょう?

400万円くらいだったと思います。

 

Q5: フランスの起業環境について教えてください。

正直、フランスでの起業環境はあまりよくありません。

資本金なしで起業(会社登記)ができたとしても、 フランスの税金や社会保障費などは非常に高く、予想外の出費が頻繁にありますのでやはりある程度まとまった資金がないと会社の運営は難しいです。

マーケットサイズは日本人が期待するほどではなく、経済活動も大変保守的です。それぞれの業界で機能するためには既存の仕組みと ルートに入り込む必要があり、コミュニケーションへの投資も大きくなります。

 

Q6: フランスでビジネスを行う際に困ったことは何でしょうか?また、起業する際の注意点は?

配達したものが届かない、盗まれた、壊された、保険が利かない、など非常に低レベルな問題から始まり、 会計、在庫管理の細かさ、関連業者の無責任さなどに煩わされている経営者は非常に多いです。

たとえ言語が堪能でも、現地人(特にフランスでは)とのコミュニケーションはある程度の胆力とスキルが必要になるので、 起業する際には現地人のサポートを確保しておくことをお勧めします。

 

Q7: 起業してよかったと思うことは何ですか?

フランスでは、会社員になってもその労働や貢献度に比例した待遇を受けられないことも多く(会社にもよりますが)平均賃金も日本やアメリカに比べ低いです。

リスクは大きいですが、夢を持てる自営業は魅力的です。時間の融通も利きますし、定期的に仕事をかねて長期帰国をすることも叶います。 海外で生活する日本人にとって帰国の時間が十分に取れることは非常にありがたいことです。さらに、母国の産業に貢献できる仕事を選んだことで 自分の日本人としてのアイデンティティを固く持つことができよかったと思いますが、震災などの影響もありその分の苦労も強いられています。

 

Q8: もし、今のビジネス以外に新しくフランスでビジネスをするとしたら、どんなことをしたいですか?

正直なところ、できるなら他の国でビジネスをしたいですね。
フランスでの起業は日本人相手のビジネスや直接消費者を対象とする飲食業以外は大変難しいと思われます。

 

Q9: 最後に、これから起業しようと思う人たちへのメッセージをお願いします。

夢だけでは食べていけないのも事実ですが、頭でっかちになり最初の一歩が踏み出せなくなってしまうのも残念なことです。 実務的なことは実際にやってみないとわからないことが多いので、ある程度の覚悟が出来たら勇気を出して最初の一歩を踏み出すことをお勧めします。 ただ、弊社のように夫婦起業ではなく家庭にわずかでもほかの収入源を確保した上であれば精神的にも始めやすいのではと思います。

 

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