日本の文化・伝統

日本の茶道人口推移と経営者・ビジネスマン必須の男の嗜み「茶道」

日本の茶道人口推移と海外での盛り上がり

日本の文化が凝縮されていると言われている茶道。

日本の文化が外国人の注目を浴びる中で、日本の文化は徐々に衰退していっています。

日本の茶道人口も減少の一途を辿り、最盛期には500万人いた
と言われる茶道人口ですが、現在では、この様になっています。

(算出:総務省統計局社会生活基本調査より)


2016年の時点での日本の茶道人口は、170万人


一方で、年齢別の割合に見てみると、

20代: 10.2%30代: 8.8%40代: 11.3%
50代: 11.7%60代: 18.7%70代以上: 22.5%

10代の割合もかなりありましたが、学校のクラブなどに所属している
ケースがあるため、ここでは、20代以上から載せています。

これで見ると、60代以上の方が全体の40%以上を占めており、
年齢の高齢化による茶道人口の減少が大きな課題です。

現に、亡くなられた方の茶道道具が大量に売りに出されており、以前、
数百万円値段がついていたものが数十万円まで値下がりしているそうです。

 

海外における茶道人口を調べてみましたが、
どこにも情報がありませんでした。

ただ、海外への普及に特に力を入れている裏千家のサイトによると、
海外の茶道人口は増加しているとのことです。

現在、世界の約37か国に120箇所ほどの裏千家の拠点があります。
(中国、台湾、アメリカに茶道愛好者が多いようです。)

日本の禅、茶道、生け花、武道などは外国人からしたら興味津々のものばかり。
日本の伝統文化も、どんどん海外進出していけば活路は開けると思います。

 

茶道は、経営者・起業家・ビジネスマンの嗜み

今でこそ、茶道=女性がするものというイメージがあります。

実際、茶道を行っている割合は、女性 8:男性 2 です。

ただ、元をたどれば、茶道は、鎌倉時代から武士の間で飲まれていたお茶を、
15世紀に村田珠光が「侘び茶」を創始し、武野紹鴎、そして、千利休によって
「茶の湯」が完成し、織田信長を始め、当時の戦国武将の嗜みとなりました。

また、明治の大実業家たちも茶道を嗜んだ人たちでした。

益田鈍翁(三井の大番頭)
松永耳庵(「電力の鬼」と呼ばれた電力王)
原三渓(富岡製糸工場の経営者)
根津嘉一郎 (鉄道王)

そして、あの松下幸之助さんも、茶道の信奉者でした。

松下幸之助と茶の湯

松下幸之助さんが、仕事で日々忙しくしていた時です。先輩の経営者から、「幸之助さんは、お茶をやらないのか?」と聞かれたそうです。松下さんは、「いや。。仕事が忙しくて、時間がありませんわ。」と答えると、「時間がない時こそ、お茶をやらなければいけない。」と言われ、お茶を始めました。その後、お茶に傾倒し、朝は、茶室で過ごし、日本庭園にもこだわり、後年は、茶の湯文化を広めるために、多くの茶室を寄贈する活動を行ったそうです。

さらに詳しく

お茶が男性の元から離れ、女性の物になっていったのは、武士の時代が終わった明治時代以降です。明治時代に、茶道が女性の教育の一環としてカリキュラムが取り入れられ、女性の割合が急速に増えていくことになりました。

私のお茶の先生の話によれば、最近は、男性で始める人が増えてきているそうです。(若い人や退職した人が始めていると言います。)

 

茶道が総合芸術と言われる理由


茶道は、日本の文化を凝縮したものです。

なぜなら、茶道の中には、美術、工芸、詩歌、書画、生け花、着物、
茶室建築、造園、懐石料理、菓子など様々な要素が詰まっています。

また、究極のおもてなしの心です。

茶道=お菓子とお茶をいただくもの。

と考えている人が多いと思いますし、私自身もそうでした。

しかし、本当は、茶事が正式なもので、お菓子と
一緒にお茶を飲むのは、茶事の一部でしかないのです。
(普段のお茶の稽古は、この茶事に向けての稽古です。)

茶事について

茶事とは、少人数の知り合いを招いて、亭主(招いた人)が招待客に対して、食事やお茶を振る舞う正式な茶会のことです。(大体4時間程度)

この茶事のために、亭主は、何日も前から献立や使う道具など考えます。
茶事の前日には、家を清め、料理の下準備をしておきます。

そして、茶事当日は、香を炊き、料理が冷めないように、お椀も事前に
お湯で温めたりしてタイミングを見ながら、料理を出し、招待客をもてなします。

そこには、目に見えないものすごい心遣いがあります。

これこそが、世界が称賛する日本が誇るサービス精神の原点なのです。

私の体験談

茶道を始めて1年目です。最初は、茶道は堅苦しいものと考えていましたが、興味本位で習い始めました。ただ、習い始めると、いかに、自分が日本の文化を知らなかったということを思い知らされ、茶道にはまるようになりました。外国人に日本の文化を教える上、ビジネス上で役立つと思います。また何より、自分自身にとって役立ちます。

茶道教室の見つけ方

茶道教室を探す場合、インターネットで家の近所の茶道教室を検索し、見つけると良いでしょう。茶道人口が一番多いのは、裏千家ですが、表千家武者小路千家遠州流、有楽流と流派は様々です。ただ、作法が違うだけで、習うなら流派と言うより、自分にあった先生のもとで習うと良いでしょう。ちなみに、私の場合、月3回の稽古で稽古代は5000円。

 

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