IT企業経営者のヨーロッパ移住(リモートワーク生活)
友人のIT企業経営者が、オランダへ移住しました。
突然のことだったので、ビックリしたのですが、
彼自身は、数年前から考えていたとのことでした。
もともと、アメリカに留学していた友人は、日本に帰国後、起業。
また、いつかは、海外へ行くことを夢見つつ、10年の時が経過しました。
40代になり、今行かないと、もう行けないということで移住を決意。
その移住先が、オランダだったのです。
でも、そもそも、なぜ、オランダなのか?
そこには、びっくりする秘密がありました。
オランダのフリーランスビザ(個人事業主ビザ)
移住の問題点
海外移住の一番の問題は、ビザの取得です。
ビザを取得できなければ、長期の移住はできません。
アメリカは、近年、ビザの発給が非常に難しく、
ヨーロッパ諸国もビザ発給も、一筋縄では行きません。
ただ、そんな中、オランダだけは違ったのです。
ココがポイント
オランダには、フリーランスビザが存在する。
フリーランスビザ(個人事業主ビザ)とは?
1912年に取り交わされた「日蘭友好通商協定」(日蘭条約)により、日本人には優遇措置が取られています。そのため、日本人が厳しい条件なしに、オランダで起業して、居住することが許されたビザが、このフリーランスビザです。
また、2020年の改正により、家族の就労が可能になりました。
フリーランスビザ取得の条件
- 日本国籍であること
- 犯罪歴や、不法滞在歴がなく、リスクとなる人物ではないこと
- オランダで住まいを探し、住所を確定し、住民登録をすること
- オランダで自身の事業の登録(フリーランサー含む)をし、
最低4,500ユーロ (約59万円)の投資をすること - 個人事業主として企業に雇われずに収入を得ること
(ただし、そこまで厳しい条件ではないようです。)
と、たったこれだけの条件で、ビザの取得が可能なのです。
このフリーランスビザが、ヨーロッパへの移住を志す人には、秀逸で、
日本人であれば、ほぼ100%近くビザをもらうことができるそうです。
さらに詳しく
難点としては、フリーランスビザでは、オランダ以外に住むことができないという事。(ただし、EUへの旅行は自由にできます。)さらに、オランダに5年住み続ければ、EU永住権(long-term resident EC)を申請できるようになります。このEU永住権取得後は、EU圏内、どこでも住むことが可能になります。
オランダ移住の魅力(メリット、デメリット)
オランダ
オランダを選んだ理由は、何も、ビザの問題だけではないと言います。
オランダを選んだ理由
- ヨーロッパの中でも、多民族国家
- EU圏では、一番英語が通じる国
- 教育費がタダで、世界で一番子供が幸せな国
ココがおすすめ
オランダは、意外にも、EU圏の中では、一番、英語が通じる国だとのこと。
世界最大の英語能力指数 ランキング(2021年度版)によると、
世界ランキングは、なんと1位。(ちなみに、日本は、78位)
ココがおすすめ
また、ユニセフ(国際連合児童基金)の調べによると、
世界で一番子供が幸せな国として、選ばれています。
総合 | 国名 | 精神の健康 | 体の健康 | スキル |
---|---|---|---|---|
1位 | オランダ | 1 | 9 | 3 |
2位 | デンマーク | 5 | 4 | 7 |
3位 | ノルウェー | 11 | 8 | 1 |
4位 | スイス | 13 | 3 | 12 |
5位 | フィンランド | 12 | 6 | 9 |
(参照:Worlds of Influence Understanding What Shapes Child Well-being in Rich Countries)
特に、子供がいる友人にとっては、この教育環境が決め手だったそうです。
一方で、多少の不便な所もあったようです。
デメリット
首都アムステルダムの家賃は、東京以上だとのこと。
そんな訳で、友人は、アムステルダムではなく、
もう少し家賃が安い別の都市に住むことにしたそうです。
具体的な手続きの流れ
手続きは、そんなに難しいものではなかったそうです。
簡単な流れ
- パスポート、3か月以内発行された戸籍謄本(とその法廷翻訳)などの準備
※戸籍謄本の翻訳は、入国後、ハーグの日本大使館でも可能(要事前確認) - オランダ入国後、移民局と外務省を訪れ書類提出
- 市役所で住民票登録
- 商工会議所で事業登録&会社登録証明書取得
ざっくりとこんな感じですが、詳細は、オランダ政府の公式サイトでご確認ください。
オランダからリモートワークの可能性
以上のように、ヨーロッパの中でも、オランダへの移住は、非常に簡単です。
ただ、ここで、一つ、疑問が残ります。
疑問
友人は、現役のIT企業経営者(会社所在地:日本、社員数は数十名)
社長がオランダに行ってしまったら、会社は、どうなるのだろうか?
オランダからリモートワークで働き、年、数回は、日本に帰るつもりです。給料は、日本の会社から振り込みます。
移住した友人
当然、最初は、社内からの強い反発がありました。ただ、根気強く丁寧に説明することで、投資家や社員に認めてもらいました。外国人社員の中には、「自分も母国に帰り、リモートワークが出来るか」と聞いてきたので、出来ると答えると、すごく喜んでいました。コロナだからこそ出来た荒業だったと思います。通常時であれば、こうは行きません。
ポイント
入国管理局
公式な情報は、オランダ政府サイトで確認してもらえたらと思います。
フリーランスビザ(個人事業主ビザ)に関して
Immigration and Naturalisation Service (IND)
オランダの魅力、起業環境に関して
オランダ企業誘致局
オランダ暮らしの便利帖(オランダでの生活情報)
在蘭日本商工会議所
こちらもCHECK
データで見る海外に住む日本人数と日本人起業状況(2022年度検証)
続きを見る
こちらもCHECK
【国際税務】海外への法人設立、リモートワーク、海外ノマドの可能性
続きを見る