海外起業家(アジア編) 海外起業家インタビュー

【海外起業家インタビュー】カンボジアで自然派スパリゾート経営、速水亮子さん

速水亮子さんへのインタビュー

1980年1月1日生まれ。東京都出身。AKO株式会社代表。 大学卒業後、株式会社船井総合研究所入社。 経営コンサルタントとして飲食業界など数々の業種を経て、温浴施設のチームへ。 年間300施設以上を見て回り温浴業界のノウハウを蓄積。多くのプロジェクトに従事。 一方接客研修講師、新人教育研修講師として全国の企業様を行脚。 その後、大手事業会社の組織風土をみてみたいと2008年4月楽天株式会社入社。 トラベル部門において、ウェブマーケッターとしてリスティング、アフィリエイトを1人で運用。 結婚後は株式会社ジャルパックへ出向。2014年3月、日本現代の夫婦の距離感に疑問をもち、 本来あるべき姿を考え、夫婦での思い出づくりの一つとしてAKO株式会社を設立。 かねてからの夢であった「人を幸せにする仕事」を実現するため、カンボジアに移住。 船井総研時代のノウハウや人脈を活かしたスパ事業と、夫のノウハウを活かしたウェブ事業を 立ち上げ現在に至る。

サイト: “PREAH GARDENPREAH GARDEN”
Facebook: “PREAH GARDEN”

Q1: 現在、どんなビジネスをされていますか?

アンコールワットのお膝元、カンボジアのシェムリアップで「PREAH GARDEN -プレアガーデン-」という自然派スパリゾートを経営しています。

スパ、カフェ、ヨガが楽しめる、癒やしの複合施設です。街中からトゥクトゥクで15分ほど走りますと、美しい田園風景が広がるエリアへ出ることができます。 牛や犬、鳥がゆっくりと過ごす中で心身を癒やしていただける場所、それがプレアガーデンです。「懐かしい感じがする」お客さまからは、そんなお声をいただくことも!

 

Q2: 起業したきっかけは何だったのでしょうか?

日本でまだ会社勤めをしていた頃、月に一度、大学時代の女友達と集まる機会がありました。 気心の知れた仲間との時間は楽しくかけがえのないものです。 しかしある時ふと、このままでいいのかと思いました。 私もみんなと同じように、マンションを35年ローンで購入して、人気ブランドの家具を買い揃える。そんな未来がふっと頭をよぎったのです。 確かにそれはそれで楽しく悪い未来ではない。 けれど「自分のなりたい幸せってどんなのだっけ」と改めて考え、出てきた答えは 「旦那さんと一緒に歳をとり、家の縁側に座って笑いながら多くの想い出を振り返る」でした。 その一枚の絵が思い浮かび、夫婦ふたりで何かをしたい、同じ目標に向かって走りたい、何かを共に達成しておいしいビールを飲みたいと思いました。 それを思った時、想い出づくりのためのめおと起業を決めました。

 

Q3: なぜ、カンボジアで起業しようと思ったのですか?

新卒で入った経営コンサルティング会社で日帰り温泉や健康ランドのプロジェクトに多く 携わっていたので、その経験が活かせる温浴事業で起業しようと思いました。 本当はお風呂をメインに作りたかったのですが予算的に厳しかったため初期投資が比較的おさえられるスパを選択しました。

展開する国については、私自身ミーハーなので(笑)、最初はバリ島やタイなど訪れた際に素敵だなと感じた国・エリアを考えたのですが、競合の数や強さ、観光客数や伸長率、法人をつくる上での規制や最低資本金などの点からカンボジアを選ぶことにしました。

 

Q4: 最初の起業資金はいくら必要だったでしょう?

100万円くらい

 

Q5: カンボジアの起業環境について教えてください。

税制が厳しく見直されつつあるなど、数年前と状況が変わっている部分もありますが それでも近隣諸国に比べれば起業にあたってのハードルが低いのではないかと思います。

 

Q6: カンボジアでビジネスを行う際に困ったことは何でしょうか?また、起業する際の注意点は?

日本の常識では考えられないことが多々起こります。
注意点としては、想定以上にお金がかかるかもしれないということです。

例えば、今時点の人件費は他国と比べ低いですがどんどん上がっています。 また私のいるシェムリアップでは学校教育やサービス教育をきちんと受けたことあるのは一部であり、どうしても良い人材は引き抜きが多く、取り合いになります。 良い人材を短期間で集めようとすると人件費は高くなります。

また物価は全体としては安いですが、例えば一部の資材はカンボジアだけでは手にはいらずタイなどの近隣国からの輸入になるため、色々調達しようとすると結果的に出費がかさむ傾向があります。

 

Q7: 起業してよかったと思うことは何ですか?

良いこと・辛いこと含めて毎日何かが起こるので、飽きることなく楽しい日々を過ごしています。 また、自分がやりたいことができることは起業のいいところではないかと思います。 私がいる場所は自然が多く、お店のコンセプトも五感で自然の営みを感じることなので、虫や鳥の声を聞いたり、星や月をじっくり見たり、太陽のパワーたっぷりのフルーツを食べたり…やりたかった人間本来の生活ができています。

あとは、夫婦の時間が増え、相手のいいところ、嫌なところ(笑)がたくさん見えてきました。日本で会社員をやっていたときは業務が違うのでわかりませんでしたが、起業して相手の意外な部分が見えたのでより深い関係が築けてきたのではないかと思います。

 

Q8: もし、今のビジネス以外に新らしくカンボジアでビジネスをするとしたら、どんなことをしたいですか?

先進国の技術をカンボジアへ伝承するビジネスに取り組んでみたいです。

 

Q9: 最後に、これから起業しようと思う人たちへのメッセージをお願いします。

まずは自分の感じる「幸せ」とはどんな状態なのか、自分にとっての「幸せ」の基準を決めることをおすすめできればと思います。 その幸せは、今の生活の中や今の生活の延長線上にあるか…、そしてその幸せの基準があまりにも遠いところにありすぎていないか…。何かと多忙な毎日だとは思いますが、そんな毎日だからこそ一度立ち止まってみてほしいです。起業しようと思う方々はおそくら向上心が強く、目標を高いところに持っているかと思いますが、自分の幸せ基準は身近にもっておいたがほうが小さい波、大きな波を乗り越えられると思いますし、楽しいと思える日々がより多く送れるのではないかと思います!

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